中尾 堯 立正大学名誉教授・日本古文書学会元会長
歴史は、過去との対話といわれます。過ぎ去った時代に参入し、人々と触れ合い語り合いたいという心が、歴史への関心をかき立てます。遠い歴史の時代への扉を開ける「鍵穴」の大きなひとつは、実に「古文書の読解」にあるといえましょう。時代を異にする「古文書」を読むことは、実際に難しいことには違いありません。しかし、その時代相を理解しながら、一歩一歩と読み重ねていくと、文字面を越えた深い意味まで感じ取れるようになります。その一里塚ともいうべき通過点を「検定」という形で辿ることは、歴史への旅に励みをもたらしてくれます。皆様を「古文書解読検定」の門へご招待します。
馬場 憲一 法政大学名誉教授
古文書は日本の文化です。この文化を伝えていくことは私たちに与えられた使命です。
この古文書解読検定は、解読力アップをめざしたもので認定資格を得ることができ、古文書を学ぶ人々にとって大きな励みになると思います。古文書解読検定を通して、自らの解読力向上とともに、古文書学習の先達として日本独自の文字文化の継承と普及に貢献されることを願っています。
西海 賢二 東京家政学院大学名誉教授・古橋懐古館館長
私が、古文書の解読に興味をもったのは46年前にもらった母親からの一通の手紙でした。文学部史学科の一年生でしたが、存命ならば今年百歳になる母親の文字が崩し字で半分も読めない。この「悔しさ」が古文書の解読にのめり込んでいくきっかけとなりました。その後全国各地の古文書の調査をすることによって「文字と文字を繋ぎ、人と人を結ぶ」古文書の世界に魅せられています。どうか皆さんも古文書解読検定で古文書の世界を堪能してください。
佐藤 弘夫 東北大学大学院教授
活字化されたテキストを通じても古文書の面白さは十分に伝わってきますが、やはり生の史料の発するオーラに直に触れる悦楽にはかないません。
それは、美しく盛られた刺身を愛でることが、みずから包丁をとって魚をさばく楽しみに及ばないことに似ています。古文書解読検定は、調理の作法を会得するための絶好の階梯です。皆様のチャレンジをお待ちしています。